過去の経験から、命について考える。そして骨髄ドナー登録を決意しました
「命」という言葉は、簡単なようで、ずっと難しい。
私はこれまで、“命”について考えてまいりました。
わたしは大切な人を亡くしました。
時に間に合わなかった命。
時に、誰かの手によって救われた命。
その狭間で、私は何度も自問してきました。
「自分には、命のために何ができるのだろうか?」
例えば、長崎県忠霊塔で英霊に「ありがとう」と手を合わせたとき。
または、防災巡回中に浸水した家の前で、住民の方と交わした言葉の中で。
そうした「命に触れる瞬間」に立ち会うたびに、私は一人の人間として思います。
“命”は、誰かが守ろうとしなければ簡単に消えてしまうものだと。
そんな中で、数年前に出会ったのが「骨髄バンクドナー登録」でした。
決して特別なことではない。
ただ、小さな勇気と、少しの時間。
それだけで、誰かの命をつなぐ可能性が生まれる。
私はそれを知って、迷いなく登録を決意しました。
命を考えることは、現実を知ること。
命を守ることは、時に“支える仕組み”を育てていくことでもあります。
私は今、防災、防犯、慰霊、教育、環境、そして人権にかかわる活動をしています。
そのすべての根底には、「命」という一本の軸があります。
是非、皆さんにもドナー登録をしてほしい。
もちろん、強制ではありません。
けれど、もし迷っている人がいたら、私はこう言いたい。
「あなたのその体には、誰かの命を救える力がある」
命は、数字ではなく、顔があり、声があり、物語があります。
私の歩みもまた、その物語のひとつに過ぎません。
けれど、ひとつの命をつなぐ小さな一歩として、「ドナー登録」という選択をここに記しておきたいと思います。